「良心をもたない人たち」(マーサ・スタウト 著/木村博江 訳)を読みました。
この本怖いー!
いわゆる神経病質(サイコパス)や社会病質(ソシオパス)の人々について書かれた本です。
(「訳者あとがき」に、本書の中では神経病質(サイコパス)も社会病質(ソシオパス)も同じ意味で使われているので、本文中は”サイコパス”に統一したとあります)
著者はアメリカで25年以上臨床心理学者としてカウンセリングを行っている方。
サイコパスの被害にあった人をカウンセリングする中で、実際にいるサイコパスについての実例を紹介されています(もちろん個人情報は変えて)。
どれも酷い話ですが、もっとイヤなのは
およそ二五人に一人の割合でサイコパス、つまり良心をもたない人がいる。
彼らは善悪の区別がつかないわけではなく、区別はついても、行動が制限されないのだ。
はじめに
という事実。
善悪の区別がつかないわけではなく って、、、、、、”悪いと知っているけどそれが何?”ってことですよね?
うぅぅ〜気持ち悪いー。
もっともこの割合はアメリカの話で、東アジア、特に日本と中国ではもっと少ないと述べられています。
文中では台湾の調査の数字があり、0.03から0.14パーセントとあります。
国によって割合が異なるのは理解できますが、アメリカの割合おかしすぎだよ。。。。
摂食障害の人の割合(3.43パーセント)より多いそうです。
アメリカの”自由”の代償は大きいですね。
基本的にサイコパスは治らず、脳の構造自体が一般的な人とは異なるようです。
研究の結果、サイコパスには大脳皮質のレベルで感情的情報を処理する能力にかなりの逸脱がみられた。
7 なにが良心のない人をつくりあげるのか
ショックな話です。
だとしたら、もう対処法は 逃げる しかないっ!文中でも「サイコパスに対処する13のルール」の8番目にあります。
でも、サイコパスの特徴の一つが
口の達者さと表面的な魅力である。
はじめに
だそうです。タチ悪いわ〜。
しかも、サイコパスというのは全員が「羊たちの沈黙」のレクター博士のような人ではなく、
- 金と権力のために、周りに嘘をついたり陥れたり、無力な集団を踏みつけたりする
ー IQが高く上昇志向が強い場合 - 小さな集団を組織し、支配下の人たちを操作したり、あくどいやり方を重ねたりする
ー 野心家だが知能はそこそこの場合 - 仕事の同僚を殺したり、殺させたりする
ー 暴力的な場合 - 働かず、毎日のらくらするために周囲の人を徹底的に利用する
ー 寄生虫的な場合
等々、色々なタイプがいるようです。やっぱりタチ悪いわ〜。
何せ良心が無いらしいので、”良心の呵責”とか、”他人の苦しみ・悲しみを理解する”ということが無い訳です。もう、人の形の悪魔ですね。
日本にレクター博士はいないとしても、「良心をもたない人」というのは実在する。という事実は知っておいたほうが良いと思います。
「話せばわかる」が通じない人もいる。ってことですからね。これ大事。
大人になると、冷静に物事を解決することが求められるので「まずは、話し合い。」となることが多いですが、通じない相手もいる、と。
良心が無い=他者への共感能力がないってことですからね。
「私なら彼(彼女)を救える/更生させられる!」という淡い願望も、彼らには通じず逆にその同情心を利用されるだけなので気をつけましょう。
文中にはアメリカ精神医学会発行の「精神疾患の分類と手引き」による「反社会性人格障害」の7つの特徴(3つあてはまると疑いあり)や、サイコパスの特徴が挙げられています。
サイコパスの特徴として挙げられているのは以下です。
・口の達者さと表面的な魅力
・病的に嘘をつき、人をだます
・感情が浅く、ぞっとするほどの冷たさを感じさせる
はじめに より抜粋
素人判断は禁物ですが、万が一周りの人で疑わしい人がいたり、その人から迷惑を被っているならダッシュで離れるか、専門家に相談したほうが良さそうです。
もし、その人が家族であっても。
だって
”邪悪さ”には顔がなく、特殊な社会的役割や民族や肉体的特徴にあてはまらない
1 ジョーのジレンマ (強調はブログ筆者が追加)
そうですから。。。あぁ怖い。
Kindle版もあります。
>主にアイデンティティや心に関する本について。読んでみた の記事一覧