「神道 見えないものの力」(葉室頼昭 著/春秋社)を読みました。
一時期、宗教のことが知りたくなり仏教や神道関連の本をよく読んでいました。(その前はギリシア神話や聖書関連も)
「私は○○を信仰している」と断言できない事に疑問を持ったのがきっかけです。
信仰を持とうにもそもそも宗教について何も知らないので、色々読むことにしました。何か心に響くものがあれば信じたいですし。
で、何冊目かに読んだのがこの本。
著者は医学博士で春日大社の宮司さんです。講演会のようなものの聞き書きがまとまった形式の本です。
神道自体は、私が少しかじっただけでも
- 教祖、経典などがなく、宗教の定義にあてはまるかどうかも定かになっていない
- 神道を政治利用した「国家神道」のイメージが悪すぎる、やった事も悪い
- 「国家神道」について、神道界がきちんと向き合って清算したのかが不明
等々、叩けばホコリがわんさか出てきそうなのですが、今回はあくまでもこの本についての感想です。
毎日神様と向き合って真剣に修行されている人の言葉は宗教的なベースと自分自身の経験から出てくるものなので、素晴らしいものが多いです。
そもそも神道の神さま自体は目に見えないので、神道の考え自体がかなりスピリチュアルと近い気がします。
無我になって理屈を言わないで全感謝すると神さまが現れてこられるのです。
終章 <こころ>をたもつ
あれ〜? 似たようなことスピリテュアルの本にも書いてあったんだけどー!
偏見を捨て、「知っているつもりになっていること」を手放し、この究極の力、すべてを知っていて愛にあふれる力とつながることを目標にすると、新しい発見とすばらしい知恵が、あらゆる場所からわき出してくる。
第2章 「思考は現実になる」を日常で活用するための九つの実験
。。。言ってること同じじゃない?
スピリチュアルで「力」とか「宇宙の法則」って言ってるものって、神道の「神さま」と近いのかもしれませんね。
とはいえ全く同じではなく、異なる点もあります。この本では、神さまや「見えない力」の他に
- 日本人であることを大事に思いましょう
- 日本語を大切にしましょう
なども書いてありますが、右翼思想と切りなはして考えれば自国や自国の言葉を大切にするのはそりゃそうだよね、と思います。
これ自体は間違ってはいないのに、「だから他より偉い」とか「だから他を貶めてもいい」という考え方をくっつけてしまうのが間違い。
そんな思想は神道の中には無いでしょう。
神道って、聖書やコーランのような経典がないので(一応「古事記」「日本書紀」がそうらしいけど)、解釈が色々できるらしいですね。なので政治利用されやすい。らしい。
でも、まっとうな宮司さんや神主さんの書いたものは納得できるし、いいこと書いてあるので、(神道を信仰するかは置いといて)この本自体はこころの拠り所として良いです。
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