ごきげんに暮らす。

結婚後、会社員から主婦になるもどうにも飽き足らないので、自力で稼いでごきげんになることにしました。インコ飼いで米津さんが好き。(アフィリエイト広告を利用しています)

「おとなの進路教室。」を読んでみたー光みたいにささる本

「おとなの進路教室。」(山田ズーニー 著/河出書房新社)を読みました。

 

おとなの進路教室。

 

山田ズーニーさんは、ほぼ日刊イトイ新聞で「おとなの小論文教室。」を書いている方で、この本もそのコラムが何本かまとまって本になったものです。  


一時期、ほぼ日刊イトイ新聞をよく見ていました。その時も上記のコラムが好きでよく読んでおり、お名前だけは知っていました。
ものすごく、力強い言葉を書く人だなぁと思っていました。
語気が強いといういう意味ではなく、本気度がビシバシ伝わって来る。という力強さです。

ほぼ日刊イトイ新聞をよく見ていていた時期は暇な会社に勤めており、よく会社のPCで見ていたのですが(何年も前の話!)、このコラムは想いが真摯すぎて読みながら涙が出ることも多かったです。
会社で関係ないサイトを見るのはどうかという話は、置いといて。

 

その後、職場が変わったりしてこのサイトも見ることは無くなったのですが、別のサイトでこの本を目にしてKindle版を買ってみました。
確かに、大人になってからの進路って誰も教えてくれないですし、今後の身の振り方に悩み始めた時期だったのだと思います。

 

で、号泣しながら読みました。
心の深いところから勝手に涙がでてきました。顕在意識より深いところに何かが作用した感じでした。


その感情を私なりに整理してみると

  • こんなにも、自分(著者自身)の気持ちを的確に言語化できることへの羨ましさや驚き
  • 著者が述べる言葉の純度への感動
  • 私(読者)の気持ちや迷いを的確に述べてくれている(ように思える)ことへの感動

つまり、言葉の純度がとても高いってことです。

著者は、小論文を通して「書くこと」や「気持ちを表現すること」を長年学生に指導してきた方です。 そのせいももちろんあると思いますが、その経験を自分自身にも向けて本気で自分の気持ち、考えを言語化しているので、これだけ純度が高い文章になるのでしょうね。

 

内容については、著者自身が会社員を辞めて次のステップに進むまでがコラム形式で書かれています。
各コラムは独立していますが、その時の著者自身の気持ちや考えがまっすぐに刺さってきます。

日本人は断定表現を避けたがる傾向がありますが、著者が自分の気持ちや皮膚感覚と真摯に向き合って紡ぎ出した言葉の断定表現は重みがあります。

今の私に刺さっている箇所は以下です。

 

やりたいことは、人とのつながりの中に見つけていくしかない。

Lesson4 やりたいことを発見する方法

 

挫折感に周囲との関係性を見失ったときも、「ありがとう」「ありがとう」を手がかりに進んでいけば、自分を生かす、明るい方向へ必ず出られる

Lesson6 「くずれ」ない行き方

 

これらの言葉だけで、”今日も生きていていいんだ”と思えるくらいの力があります。

今までのアイデンティティを捨てたものの、次の一歩が踏み出せない私のような状況の人は、ぜひお手元において何度も読み返すといいと思います。
いわゆる「自己啓発本」ではないですが、言葉がまっすぐに飛び込んでくるような本です。

 

Kindle版はこちら。

おとなの進路教室。 (河出文庫)

 

 

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